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US&R Training Report








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5日目 ショアリング

 ショアリング(Shoring)とは日本語にすると支柱を立てるという技術だが、実は日本には馴染みの薄い分野であり、私はこの技術を日本国内で教わったことがなかった。
 ここ10年の間に日本では6名の消防職員が火災現場で崩落した建物の下敷きになり殉職した。これを多いと考えるか少ないと考えるかは人それぞれであると思うが、この崩落をとめることが出来る技術があれば、少なくともこの6名は亡くならずに済んだはずではないか。日本でも最近、火災時の建物崩落巻き込まれ防止のマニュアルが作成されたが、このなかでもまだ支柱を設定するようなことは無く、「注意する、早く逃げる、慎重に作業する」などといった内容であった。
 この技術は早くマニュアル化し、消防活動に積極的に活用すると共に日本の消防機関へ普及できれば、殉職者やけが人を減らすことが可能である。



倒壊建物内へ進入する際に建物倒壊を抑える支柱の作成

 訓練では震災時に建物が崩れ、その奥に被災者がいるという想定で活動を行っている。まず崩落を進行させないために、斜めに崩れた建物の床に合わせて材木を切断し組み立てていく。その組み立てたものを床にはめて固定し、崩落を防いでいる。スポットショアは比較的安定した建物に進入するのに用いるやり方で、屋内進入の際は速やかにスポットショアを立てて捜索した後、柱はそのままにして退出してくる。これが建物火災の崩落防止に大変有効である。
 ショアリングの種類は多数あるが、大きく分類するとタイプⅠ、タイプⅡ、タイプⅢに分類される。状況に合わせて使い分けているが、どのタイプを使うか?の判断はエンジニア(建築物・構造物の専門家)の意見を参考にしている。(US&Rのチームにはエンジニアが組み込まれている)
 US&RのSARチームでは、現場でシュアリングの効率を高めるために、最初に「カッティングテーブル」を作成している。このテーブルは木材を効率良くカットする為に考案されたもので、有ると無いでは作業効率が歴然と変わってくる。




ショアリングをしながら進む隊員




スポットショア3種類



考察(Rescue Systems)

 今回受講したRescue Systems 2は、カリフォルニア州の消防士が救助方法を学ぶためにRescue Systems 1と同時に約1年かけて行うカリキュラムである。しかし、救助方法として大変優れているため、全米のUS&Rの統一救助方法として細分し、5日間のコースとして構築しなおされ、US&Rトレーニングの基本プログラムの1つとして全米で推奨されている。
 このコースの優れている点は、訓練施設こそ特殊な施設が必要であるが、訓練で使用する救助資機材はわが国が使うものとほとんど代わりがない。Rescue Systems 1は救助隊員用の基本教育プログラムではあるが、ホームセンターで購入できる道具を利用した救出方法もあった。これは、各自治体が防災指導で進めている、「自らの地域は自らで守る」といったコンセプトの自主防災組織の指導には大変適した内容になっている。
 また、Rescue Systems 2にあっては、今後予想される大規模災害に対応する常備消防体制に大変重要だと感じところである。日本でも各地域に特別高度救助隊が発足したが、東京消防庁のハイパーレスキュー隊のように大型重機を保有した部隊は、現在の消防財政では不可能に近いと思われる。しかし、私が受講したRescue Systems 2で教わったものは、救助資機材を整備するのにもコストが低く、救出方法にあっても被災地の実情にマッチしているものと感じる。
 この報告書ですべての内容を記載することはできないが、別にマニュアルを作成し実際に隊員に教え検証することが、今後の消防行政の発展につながると感じた。





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